2016年10月25日火曜日

あの音を忘れない――SONYが全技術をぶっこんできたハイレゾオーディオたちがすごい【ソニーフラッグシップモデル ブロガー限定先行体験会】


どうも~。音にこだわる両親の元で育ってしまった管理人です!

レコードプレーヤーやJUKEBOXでさまざまな音楽を勝手に再生していたのは物心ついたころ。小学校に上がってしばらくしてから、やたら大きなSONY製システムコンポ(←こんな感じのアンプ、チューナー、カセット/レコードプレーヤーとステレオスピーカー)が家にやってきて、レコードやカセットをかけまくっていた思い出。ちなみに、お気に入りはダーク・ダックスの『星のメルヘン』と『花のメルヘン』。

ウォークマンが発売されたときにも父親はすぐ買ってきていたし、考えてみればオーディオについてはSONY製まみれだったかも。

そんな昔話は置いといて、狭き門をくぐり『ソニーフラッグシップモデル ブロガー限定先行体験会』に行ってきましたよ!

場所は引っ越したばかりのソニーショールーム。銀座駅のすぐそばです。


こだわったのは空気感

今回体験できたのはステレオヘッドホン『MDR-Z1R』とウォークマン『NW-WM1Z/WM1A』。それぞれの重厚感からして漂う風格。フラッグシップモデルだけありますな。

開発者の生の声を聞けるのが、こういうイベントの醍醐味。まずは、ヘッドホンを開発した潮見さんと尾崎さんのお話です。

潮見さんはソニーに入る前から音楽が好きで「音に救われた」こともあり、その想いを開発に込めたとのこと。

音についてよくいわれる「空気感」についてこんな説明がありました。

音楽を生の現場で聞いたときにその場で感じられるもの。可聴帯域外の音。どの音域も忠実に再現する。反響してくるようなそんな音まで。

平面波。音は壁などに反響し、その波は耳に届くまでに平面になる。音楽が実際になっている場で感じられるその状態を再現した。

そして、音を耳全体で感じられるよう、平均的な人の耳の大きさである65mmより大きい70mmのドライバーユニットを採用。また、グリルパターンはフィボナッチ数列を参考にしたフィボナッチパターンを取った。

突然出てきた「フィボナッチ」。これは自然科学の領域で知られている言葉。種をつけたひまわりを見てみると、少しだけ渦巻き放射状に種が配列されていますよね。また、まっすぐに伸びている植物を真上からのぞいてみると葉の配列はねじねじ状態。

種でいえば、限られた面積の中でより多くの均等な大きさの種をどうやったらつけられるか、葉っぱでいえば、太陽光線を限られたスペースでどうやったらたくさん受けられるか。それらのデザイン(設計)に現れるのがフィボナッチ数列なんだそうです。つまり、限られたスペースでより多くの種=音を均等に伝えるのに理にかなった配列パターンというわけですな。


また、振動板にはマグネシウムを採用。これは、金属にはそれぞれ反響する際に特有の音が出るんだけれど、それが強いとコンテンツ(音)に本来なかった音が含まれてしまい、そうすると音作りをしたアーティストなりエンジニアの意図と異なってしまうため、できるだけ特有の音が出ない金属、ということで選ばれたとのこと。

ただ、マグネシウムは延長率が非常に低いため30μの薄さにまで伸ばすこと、それを破かないように成形するのが大変で、できるようになるまで10年近くかかってしまったとのことでした。

またそれ以外でも音作りに苦労。レコーディングスタジオで働くエンジニアたちや自分たちで音質をテストしてみて、何度も分解しては細かいチューニングをしていったそう。

イヤーパッドの装着性にもこだわって完成した製品は、販売価格にはこだわらなかった模様wなんと市場販売価格は20万円前後になる見通しだそうです。

音にこだわり抜いて開発

続いて、ハイレゾウォークマンを開発した佐藤さんと石崎さん。

今回のウォークマンには、「デジタルアンプがなくてもいい音が出ます」ときっぱり。もちろん、あればあったでもっといい音が出るけど、そんな必要がないくらいに完成された製品になったと。

特に分子コンデンサは3年もの歳月をかけてこのウォークマンのためだけに開発したとのこと。しかも怖いおじさんと一緒にw

導電率の高さでいえば銅が金属としては最高だけど、ずっと手にしているとどうにも10円玉の臭いがする、しかも錆びる。そこで、臭いと錆問題を解決するために無酸素銅を削り出して形を作り、そこに純度99.96%の金メッキ処理を施したそうです。

製品を見ると「あれ? 金なのに何でピカピカしていないの?」と感じるかもしれないけど、あの“ピカピカ”は金そのものの光沢ではなく金メッキの下地処理に使うニッケルのせい。でもニッケルを使うとやはり音に影響が出るので、放つのが鈍い輝きになってしまうけど純度の高い金のみにした、という経緯があったとか。
さらに、ノイズを受けにくくするため、新開発のノイズ水晶発振器は並列に配置。これによって出せる音の情報量が増えたとのことです。
また、アンプからヘッドホンジャックまでのケーブルも吟味。KINBER KABLE社の協力を得て開発した4芯Braid構造のケーブルを採用。きちんと訪米して同社に説明したため、堂々と「KINBER KABLEのものを使っています!」と公表できるようになりました。

「外で使ったら変態感があります」

今回発表されたステレオヘッドホン『MDR-Z1R』もウォークマン『NW-WM1Z/WM1A』もフラッグシップモデルだし、音にこだわり抜いて開発されているから、最高の組み合わせになるはずなんだけど、『NW-WM1Z』の重量はなんと約455g。佐藤さんは持ち歩いているそうですが、さすがに重そうw これより重い機種もあったとのことですが、いちおうポケットやカバンから出さずに使えるよう、このようなスリムなリモコンも用意されているとのことです。
また、ヘッドホンについて潮見さんは「外では使いません( ー`дー´)キリッ」と。ただ、家の中の好きな場所へ持ち歩けるから、“ポータブル”扱い。

「外出時に使えませんか?」という問いに対しては「使えないことはありませんが、外で使ったら変態感があります」と。

とはいえ、数値ではあらわれない実際の装着感にはこだわっているので、使い心地はいいようです。また、密閉型で音漏れもないので、外でも快適に音を楽しめそうです。

いずれにしても、開発に携わられたかたたちからは「やりきった!」というメッセージが。フラッグシップモデルのものは10年から15年刻みで出てくるので、また新たな技術が開発されたときには、それらを集結したものを作りたい、という意気込みも語られていました。

5分ほど試聴する機会をいただきましたが、目をつぶればまるでコンサートホールにいるよう。音圧がすごい。伸びがいい。耳障りのする要素が一切ない。

これ、高いといっても、AKGやAstell&Kern 、ゼンハイザーのような製品もあるわけだし、プロ向け製品を作っている国内工場産という安心感もあるから、「いい音のためなら金に糸目はつけない」という人にはぜひ試してみてほしいなぁと思います。で、ぜひ外で使って見せびらかしてほしい。変態感はあるけどね。




0 件のコメント:

コメントを投稿