2013年1月6日日曜日

お雑煮

三日間火を通し、きちんと濾した鶏ガラスープ

1月といえば、おせち料理とかお餅とか。みんないつもとは違うものを食べたりしているのだろう…と思う。

福島ではこの時期「いか人参」というものを食べる。佐藤B作さんがテレビで紹介したこともあると思うけれど、福島成の保存食だ。

作り方は簡単で、スルメイカを2〜3mm程度の細切りにしたものと人参の千切りをみりん、醤油、酒などの合わせ調味料に漬け込んでおくというもの。砂糖を入れたり、家によって様々らしいけれど、しいたけは入れない(福島に移り住んですぐ、真似をして作ったものにしいたけを入れて怒られたことがある。居候先のご主人が全部食べてくれたけど)。

まあ、松前漬けに似たような味になるのかなぁ。

わたしは東京生まれの神奈川育ち。生粋の南関東人である。

そうは言っても、母親は宮城の人だし父親は岐阜の人で、隣近所は米軍さん、アパートの大家さんはロシア人という特殊環境で育ったため、大抵のものは食べられる。しかも美味しくいただける。

そんな我が家の雑煮は、雑煮ではない。

雑煮だと疑わずに育ったけれども、この漢字から考えると、決して「雑煮」などではなかった。

材料
  • 白菜、醤油、だしの素、餅
作り方
  1. 鍋に湯を沸かし、だしの素を入れ、ざく切りにした白菜を入れる。
  2. 白菜に火が通ったら醤油を適量入れ、餅を入れる。
  3. 餅が柔らかくなったら出来上がり。
これだけだ。

これが雑煮だと信じて疑わなかった。

ところが、福島に住んでみて、東北の雑煮はそのようなものではないということを初めて知った。

「あらやだ、それじゃあ『』じゃないじゃないの」と近所の主婦(50代)に言われたものだ。

「じゃあ、今度作るから、取りに来てちょうだい」と言われ、電話を待って頂きに伺った。

容器に入っていた汁物は、明らかにわたしの知っているものではなかった。

人参、しいたけ、ごぼう、それに何と鶏肉まで入っていた。

「えっ?!お餅に肉?!」と、仰天したのを今でも覚えている。

そもそも正月料理というのは精進料理ではなかったのか。動物性タンパクを使わない、そういう趣旨ではなかったのか?などと考えがグルグルと巡り、それでも温めて、餅を入れて食べてみた。

美味しい。

餅と肉から染み出るコクがこんなに合うとは思わなかった。

そういえば、この近所の主婦も宮城出身だったっけ。

っていうことは、うちの母親の家ではやはりいろいろなものを入れた雑煮が定番だったけれど、父親に合わせてあのような雑煮を作っていたのだろうか?

中学生の時の家庭科の自由研究で、どういうわけか「郷土料理」を題材に調査したことがあったけれど(内容は忘れたけれど)、同じ名前の食べ物でも地域によって「もの」がぜんぜん違うというのに衝撃を覚えたことがある。餡入りの餅が雑煮に入っているところもあるし。

そんなわけで、福島で食べた雑煮に自分なりのアレンジを加えたレシピがこちら。

材料
  • 鶏ガラ(二つくらい)、長ネギ(1本)、生姜(ひとかけ)、ごぼう(先の方適量)、酒(100cc程度)
  • しいたけ、人参、ごぼう、大根、鶏肉、餅(飾りに三つ葉があるとなお良い)

作り方
  1. 鶏ガラはよく洗い、臭みを取る
  2. 圧力鍋に薄切りにした生姜と酒、鶏ガラとそれがかぶるくらいの水(1Lくらい)を入れ蓋をして火にかける
  3. おもりが回り始めたら中火程度にしておもりが回り続ける火力で20分加熱する
  4. 自然冷却しピンが落ちたら蓋を開け、ごぼうの先の方(千切りにするのが大変で捨ててしまう部分)、5センチ程度に切った長ネギを入れて更に加熱する
  5. 圧力を5分程度かけたら火を止める
  6. ピンが落ちたら蓋を開け、固形物を取り出す
    (透明感のほしい人は、リードキッチンペーパーなどで濾すのも良いかも)
    (出来上がった鶏ガラスープの量はかなり多いので、2人前の雑煮であれば、半分の量で十分かも)
  7. 人参、しいたけ、大根は千切りにしておく
  8. 鶏肉はひとくち大に切り分けておく
  9. ごぼうはささがきにしておく(千切りでも可)
  10. 鶏ガラスープを火にかけ、人参、ごぼうを投入
  11. 鶏肉を投入
  12. 鶏肉の表面が白くなり、火が通り始めたらしいたけを投入
  13. 酒、醤油(好みで砂糖も)を入れていい感じに味がついたらベースの出来上がり
  14. 餅は焼いたものを入れても良し、別ゆでしても良し、出来上がったベースに入れて火を通しても良し(ただし、この場合はベースとなる汁を使い切ることが前提。白濁してしまうので見た目が良くなくなってしまうから)
三つ葉などという雅なものがなかったので、
ネギの青い部分を載せてみた

わたしは化学調味料を使わない方向なので、これで充分美味しく食べられるんだけれど、どうにも「旨みが足りない〜」という人はほんだしなどを少し足してもいいと思う。あ、もちろん、かつお節を入れるのもOK。

あと、料理酒でオススメなのは「仁井田本家」の『旬味』。これを使うとほとんど化学調味料の必要性を感じない。ちなみに、牛乳で割って飲むと、甘酒のような美味しい飲み物になるのよね。

関西出身の人からすれば、このレシピ、「うへぇ〜」って感じるかもしれないけれど、たった一杯の雑煮でいろんな栄養が取れるし、体も暖まるので、試してみるのはいかがでしょうかね。わたしも最初は「うへぇ〜」ってなっていたわけだし…(笑)
残った鶏ガラスープは凍らせておく
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2013年1月6日 追記
写真がなかったので、写真を追加。

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